日本航空が、13年ぶりに貨物専用機を導入することを発表しました。
同社は、ボーイング767-300ER型機の貨物専用機の3機導入を決定したということです。自社貨物専用機を運航するのは13年ぶりで、2023年度末より順次運航を開始するということです。
同社はこれまで、需要変動が大きい航空貨物事業において、旅客機貨物スペースに加え需要に応じて他社フレイターをチャーター運航する柔軟な事業運営を通して、確実かつ効率的に収益を確保してきたとしていますが、貨物郵便事業の更なる成長を企図し、自社によるフレイター運航を決定したということです。
今般のフレイター導入では、新たなビジネスモデルを構築し、安定的かつ成長性の高い需要を確保するとしています。また、2024年問題に起因する物流ニーズに対し、航空輸送力を強化し、物流を軸とした社会課題の解決に寄与していくということです。
同社のフレイターは、東アジアを中心とした国際線で運航を開始し、将来的には国内線でも運航することで機材の稼働率を向上させつつ、貨物搭載率の最大化を図るとしています。
なお、同社が導入する767は現在自社で運行する767-300ERを改修するとしていることから、767-300BCFとなると考えられます。
日本航空は、2010年の経営破綻まで747Fや767Fを保有し、貨物専用機を運行していましたが、経営再建の過程の合理化策により、全機を売却していました。その後、同社が貨物専用機を導入することはなく、子会社のJAL Cargoも旅客機の貨物室を使用する貨物を受託する会社へとなっていました。
今回のフレイターの再導入の詳細は現時点では不透明ですが、NCAやANA Cargoも近い将来には赤字が想定されている上、日本では航空貨物事業は成功しないというジンクスまであるため、日本航空の貨物事業が成功するのかは注目が集まりそうです。
